【世帯分離】とは?
まず【世帯分離】についてですが、同居していながら
住民票の世帯を分ける(1つの世帯を2つに分ける)事を言います。
心配される様な戸籍上の分離では無く、【住民票】上で分離するだけなので
親子や配偶者などの関係(縁などが切れる訳では無い)に影響はありません。
【世帯分離】をして得する方は、退職された方やニート、無収入・低収入の方
「社会保険」から「国民健康保険」へ変更される方、また介護料が気になる方などです。
役所では【世帯分離】については教えてくない
役所等では【世帯分離】について、コチラから尋ねない限り教えてくれません。
退職後に個人事業主・フリーランスになった当初の私の経験(失敗)から、
■世帯主と「国民健康保険」の関係は?
■一世帯の所得に対して住民税が計算される?
■世帯分離のやり方・世帯主を変更する理由には注意が必要!?
を中心に「【世帯分離】を知らなくて損した人=(過去の私)」にならない為に
また【やり方】についてもシェアしたいと思います。
【世帯分離】を知らなくて損した人(=私)
会社(サラリーマン)を辞めた当時(未婚・個人事業主としての収入はほぼ無い)
自身が暮らす為の家賃が勿体無い事もあり、実家で親と同居をしはじめた頃の話です。
役所で実家への住居変更を行う際に、無知であった私は何も疑わず、
実家の世帯主である【父親の名前を世帯主の欄】に記入してしまった事から
面倒な手続きやデメリットに見舞われました。。。
最初に【世帯分離】を知っていれば、、、を痛感したので、読んでいる方には、
「同じ経験はして欲しく無い」と思い、この記事を書きました。
世帯分離しないと「国保」の支払い納付書は世帯主宛に届く
親とは同じ家に住んではいましたが家計(生活費)は全て別です。ただ退職後に届く
「国民健康保険料の納付書」は世帯主名(私の場合は父親)で届きます。
宛名だけでなく【納付者氏名】も世帯主名…。毎度届くたびに世帯主である父に、
確認を取られる面倒さ(お金の支払いなので当たり前なのですが…)がありました。
後述しますが世帯分離後に諸々の「還付金」があっても還付通知書も前世帯主宛に届く…
コレも結構面倒でした。
世帯主と「国民健康保険」「国民年金」の関係は?
無職の方・低所得者の場合は、世帯分離をすることで、国民健康保険料が最大7割軽減、
国民年金も最大・全額免除申請ができる可能性があります。
これは「国民健康保険」や「国民年金」の額は【世帯全体の所得】で
計算されていることによります。
世帯分離すれば、住民税非課税世帯(低所得世帯)になれる?
複雑な部分は割愛しますが世帯全員(分離すれば1人分=世帯全員)の所得割・均等割が
どちらも課税対象ではない場合、住民税非課税世帯になる事ができます。
ですので世帯分離をすれば住民税が非課税になるのではなく、世帯分離をする事で、
住民税非課税の方(や低所得者)にメリットが生じる と認識してください。
ちなみに私の場合は、世帯分離をする前は親の所得だけで所得割・均等割 共に
どちらも課税対象でした。
世帯分離のやり方・世帯主を変更する理由には注意が必要!?
世帯分離のやり方は決して難しいものではありませんし、費用もかかりません。
ただし、窓口で理由を聞かれた時の答え方としては
〇「生計が別だから」「家計を区別するため」
×「介護保険料が安く出来る」「節約したいから」
×は制度の目的にそぐわないという事で受付けてもらえない事もあるようです。
〇の内容で答える事が無難であり、受付けもスムーズです。
①手続き時の持ちもの
・運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなどの本人確認の書類
・国民健康保険に加入していれば国民健康保険証
・代理人の場合には委任状
・届出人の印鑑(認印鑑は念のため持っていった方が良いです)
・夫婦間の世帯分離の場合は家計が別であることの資料(源泉徴収票、課税証明書など)
※同一世帯の夫婦による世帯分離は家計が別であれば原則行えますが、民法の規定もあるようなので、専門家に相談されるか、ご自身の状況を確認してからが良いと思います。
②世帯変更届・住民異動(世帯変更)届書
各市町村役場の住民登録窓口で所定の用紙をもらい必要事項を記入します。
世帯分離後のメリット
個々にもよりますが、退職後で無収入(低収入)ニートの方に、メリットが大きく出ます。
・国民健康保険 還付
私の場合ですが、世帯分離後、健康保険の還付額が約80,000円ありました。
ただ納金還付通知書は、以前の世帯主(私の場合は父親)に届きます。
上述した通り、【納付者は以前の世帯主が支払っている】と認識されているため、
納金還付通知書も以前の世帯主に届く…→父にも諸々説明し、無事還付金は受け取る。
世帯分離後の現在は、確定申告額に応じての国民健康保険料を支払い中→大幅減額!
・国民年金 還付
私はクレジットカードで国民年金の先払いをしていた為、特殊な例となりますが
国民年金保険料の免除申請(所得が一定基準以下の方が対象)をした事により
約200,000円ほどの還付がありました。
(※各市区町村・個人により異なりますので、各市区町村へ問い合わせてみて下さい)
世帯分離後の現在は、確定申告額に応じての国民年金額を支払っています→大幅減額!
デメリットは?
※以下は、個人の所得、お住いの自治体によっても変わりますので
市町村役場の担当窓口で正確に計算してもらった方が良い場合があります。
・国民健康保険料が増額となる場合もある。
国民健康保険料には「平等割」という世帯ごとにかかる課税部分があり、
世帯を分ける(=世帯分離)と平等割が二重にかかることになります。
住んでいる家の中の全員・一家全体としてみると前より保険料が増える
という事があり得ます。(特に所得が大幅に上がった場合・年度は注意)
・高額介護サービスの合算ができない
同じ世帯で介護サービスを利用している人が2人以上いる場合には、その自己負担分を
合算して高額介護サービス費の自己負担限度額に基づいての払い戻し申請が行えます。
ただし世帯を分けた場合は合算できなくなり、支払いが高くなる場合があるようです。
・市営住宅など公営住宅に申し込めない・同居出来ない
公営住宅は世帯収入により家賃が設定される事から、原則2世帯が住む事が出来ないようです。
まとめ
世帯分離は、退職直後など収入が低い方が同居する前に知っておくべき制度です。
結論「最初から知っておけば、面倒な変更手続きが不要になっていた」と思います。
また、役所への手続きや申請等の時間的ロスや損も回避出来たと思います。
これから退職をして同居をする、特に個人事業主として独立する方は、
最初から収入がある訳では無いと思いますし、リスクを取って新しく
何かにチャレンジされる方がほとんどでは無いかと思います。
私自身、税金や社会の制度など、わからない事だらけの中から勉強をし
知識を得ていったので、この記事が困っている方の一助になれば幸いです。
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